第56回神奈川県PTA大会の開催にあたり、多くの皆様にご参加いただきましたことに心より感謝申し上げます。
さて、県Pでは本年度総会におきまして、「かながわPTA宣言」を決議いたしました。この宣言文の精神にのっとり、事業展開するための一つの柱として「私たち親の資質の向上」を上げております。
「家庭」と聞いて何を思い浮かべますか?
次のような言葉があります。「家はあるが、家庭はない。時間はあるが、ゆとりがない。楽しみはあるが、喜びがない。」 いろいろと考えさせられる言葉です。
では「家」と「家庭」には、どんな違いがあるのでしょう。「家」とは、朝出て行って夜には帰ってくる、ご飯を食べて寝るところです。でもそれだけで、他との関わりを持たなくても済むところ、英語で言うと“ハウス”です。一方の「家庭」は、ホームと表現できるのではないでしょうか。ホームという言葉からは、アットホームやスイートホームなど、人と人との関わりの中にある温もりが伝わってきます。ここにハウスとホームの違いがあります。
現代の私たちの家庭はどうでしょう。親の仕事が忙し過ぎ、家には寝るだけに帰ってくる。子ども達はそれぞれに部屋があって、普段あまり顔を合わさない。スマホ一台あれば勉強、遊び、コミュニケーション、すべてがひとりで完結し、家族と会話する必要もない。このまま進むとどんどん人との関わりを煩わしく感じるようになり、多くの子どもたちが「独りだったらどんなに楽だろう。」と考えてしまうかもしれません。
私たち親はもう一度、家庭というものについて深い思いを持つべきではないでしょうか。人とかかわることは、煩わしいことです。ひとりだったら、どんなにか楽だろうかと思う事もあります。しかし、その煩わしい中で人は育まれていくのだと信じます。
地域や家庭の「教育力の低下」があると指摘される昨今ですが、昔から「親は子どもの鏡」、「子どもは大人の背中を見て育つ」と言われるように、子どもにとって親はとても大きな存在です。
現在、家庭教育力低下の問題を解決すべく、国をはじめ、全国各自治体で様々な取組がなされています。神奈川県PTA協議会においてもこれらの問題解決に向け「行政、地域、学校が取組むべきこと」や「保護者自身が学習すべきこと」について協議してきました。
本大会では、「子育てと同時に親も育つ」といった親の学びの観点から、基調講演並びに地域とともに素晴らしい活動をしているPTAの実践発表を行い、子どもたちの目に映る私たち自身(大人の背中)が、優しくも厳しく頼りになる親になるためにはどうしたらいいのか、参加された皆様と一緒に考えていきたいと思います。
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